VDSLが遅い原因は3つ!今すぐ試す改善策

「動画が止まる!」「ゲームがカクカクする!」――VDSL回線を使っていると、そんなことが起きやすいです。これは「途中まで高速道路、そこから細い道」というような仕組みだから。

けれど工夫をすれば、道をスムーズに走れるようになります。この記事では、すぐできる改善方法を紹介します。
もし「夜になると特に遅くなる…」という方は、こちらの記事も参考になります。

1. VDSLが遅いと感じるのはなぜ?

1-1. 集合住宅で混雑が起きやすい理由
VDSLはマンションでよく使われています。
マンションでは「みんなで同じ水道管を使う」ようなイメージで、インターネットの回線も共有しています。
夜になると、住んでいる人が一斉に動画を見たり、ゲームをしたりするので、回線が混雑してスピードが遅くなるのです。
同じマンションでも配線方式によって速度が大きく変わります。自宅の配線タイプは、こちらの記事でチェックできます。

1-2. モデムやルーターの影響
インターネットをつなぐには「モデム」や「Wi-Fiルーター」という機械を使います。
これが古かったり、性能が低かったりすると、本来出るはずの速度が出ません。
特にWi-Fiルーターは規格が新しいものほど速いです。古いルーターを使っていると、通信が渋滞してしまいます。
「モデムとルーターって何が違うの?」という方はこちらの記事で図解しています。

さらに詳しく知りたい方へ:
今使っているルーターの“性能指標”をやさしく解説したこちらの記事も参考になります。

・製造年やモデル名を確認
本体裏や底に型番・製造年が記載されています。2018年以前のモデルは古い可能性大。
・Wi-Fi規格をチェック
ラベルや設定画面に「11n(Wi-Fi 4)」「11ac(Wi-Fi 5)」「11ax(Wi-Fi 6)」と表記されています。
- 11n(Wi-Fi 4):古い世代、速度が遅め
- 11ac(Wi-Fi 5):現在でも主流、十分速い
- 11ax(Wi-Fi 6):最新規格でより快適
・プロバイダからのレンタル品の場合
無償交換できることもあるので、サポート窓口に相談してみましょう。
Wi-Fi 6ルーターのおすすめモデルは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

1-3. 宅内配線やWi-Fi環境の問題
お部屋の中の環境も大事です。
- 古いLANケーブルを使っている
- 電子レンジや家電の近くにルーターを置いている
- コンセントや配線がゆるんでいる
こうしたことでも速度は落ちてしまいます。まるで、古い道や凸凹の道を車で走ると遅くなるのと同じです。
もし電波が届きにくい場所がある場合は、外付けアンテナを活用すると改善しやすいです。

2. まず試したい!自宅でできる改善策

2-1. モデム・ルーターの再起動や交換
まずはシンプルに「電源を切って、しばらく待ってから入れ直す」だけでも改善することがあります。
ずっとつけっぱなしにすると機械が疲れてしまうので、休ませてあげるイメージです。
それでも直らないなら、新しいモデムやルーターに交換するとスピードが改善する可能性があります。
交換の前に、まず現在の通信速度を測定してみるのもおすすめです。手順はこちらの記事で解説しています。

2-2. LANケーブルを最新規格に変える
LANケーブルは「インターネットの道」です。
古い規格(CAT5など)のケーブルだと速い速度に対応できません。
「CAT6」や「CAT6A」と書かれたケーブルなら、より速く安定した通信ができます。
LANケーブルは“見た目が同じでも中身がちがう”ことがあります。
詳しくは下の記事で、CAT5〜CAT8の違いを図解でわかりやすく紹介しています。

2-3. Wi-Fiの周波数や設置場所を見直す
Wi-Fiには「2.4GHz」と「5GHz」の2種類があります。
- 2.4GHz:遠くまで届くけど遅め
- 5GHz:速いけど壁に弱い
部屋の位置や使い方に合わせて使い分けると快適になります。
また、ルーターは床ではなく、できるだけ高い場所に置くと電波が届きやすくなります。
3. 契約内容でスピード改善する方法

3-1. IPv6(IPoE)接続に切り替える
インターネットには「IPv4」と「IPv6」という2つのルールがあります。
古い「IPv4」だけだと混雑しやすいですが、新しい「IPv6」を使うと混雑を避けてスイスイつながることが多いです。
「IPv6(IPoE)って何が違うの?」という方はこちらの記事で図解しています。

もし契約が「IPv4」のままなら、プロバイダに相談して「IPv6」に変えてもらうと改善する可能性が高いです。
3-2. プロバイダ変更で混雑を回避する
プロバイダとは「インターネットの入口の会社」のことです。
同じVDSLでも、どの会社を選ぶかで混雑具合が変わります。
例えば、同じスーパーでも「混んでるレジ」と「空いてるレジ」があるのと同じ。
混雑の少ないプロバイダに変えると、体感速度が上がることがあります。
4. それでも改善しない場合の選択肢

4-1. 光配線方式への乗り換えが最も確実
VDSLは「マンションの共用部(配線盤のある部屋)までが光ファイバー → 各部屋までは電話線」という仕組みです。
光配線方式は「部屋までまっすぐ光ファイバー」が届くので、とても速くて安定します。
たとえると…
- VDSL:マンションの玄関までは高速道路、そこから自宅の部屋までは細い道
- 光配線方式:玄関から部屋まですべて高速道路
動画もゲームもサクサク。根本的に解決したいなら、この方法が一番です。
4-2. モバイル回線やホームルーターを活用
もしマンションの都合で光配線方式にできない場合は、別の方法もあります。
- モバイル回線:スマホと同じ電波でつなぐ
- ホームルーター:コンセントにさすだけでネットにつながる
地域や電波の強さによって速さは変わりますが、「VDSLより快適になる」という人もいます。
賃貸でも工事不要で使える快適なネット回線については、こちらの記事を参考にしてください。

5. よくある質問(Q&A)

5-1. VDSLの速度は最大でどれくらい?
理論上は「100Mbps」くらいですが、夜は10Mbps以下になることもあります。
(YouTube動画を快適に見るには10〜20Mbpsはほしいところです)
5-2. リモートワークや動画視聴は大丈夫?
昼間なら問題ないこともありますが、夜は会議が途切れたり、動画が止まったりすることがあります。
仕事や映画を安心して楽しみたい人には、工夫や乗り換えが必要です。
ビデオ会議が途切れる場合の具体的な対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

5-3. 乗り換え前に確認すべき注意点
- 管理会社に「光配線方式OKか」確認する
- 工事費や契約解除料がかからないかチェックする
- 自分の部屋に光ケーブルを引けるか確認する
準備をしてから手続きすれば安心です。
・「VDSL → 光配線方式に切替できるか」をはっきり聞く
・許可や申請が必要かを確認する
・過去に工事実績があるかどうかもチェック
✅ メールでの管理会社への確認例文はこちらからダウンロードできます(Word形式)
6. まとめ:VDSLは工夫と選び方で改善できる

VDSLは仕組み上、光回線より遅くなりやすいですが、 工夫すれば速くできます。
- 自宅でできること:モデムやルーターを見直す、LANケーブルを新しくする、Wi-Fiの設定を変える
- 契約でできること:IPv6に切り替える、プロバイダを変える
- 根本解決するなら:光配線方式やモバイル回線に乗り換える
「夜になると遅くてイライラする…」という人でも、順番に試せば快適に使えるようになるはずです。
まずはできることから始めてみましょう!
特にオンラインゲームでラグが気になる方は、低遅延回線の選び方やSwitchのNATタイプ改善手順もチェックしてみてください。


7. ここまで読んだ方への実践チェックリスト

VDSLの速度改善は「できることから一つずつ試す」ことが大切です。
下記のチェックリストを参考に、ご自宅や契約内容を順番に確認してみてください。
7-1.VDSL改善チェックリスト
- 夜になると速度が落ちていないか確認した
- モデム・ルーターを再起動してみた
- ルーターの製造年や規格を確認した(2018年以前のモデルは交換検討)
- LANケーブルがCAT6以上か確認した
- Wi-Fiを2.4GHz/5GHzで使い分けてみた
- ルーターの設置場所を見直した(床ではなく高い位置へ)
- 契約がIPv6(IPoE)か確認した
- プロバイダの混雑状況を調べた/変更を検討した
- 光配線方式への切り替え可能か、管理会社に確認した
- モバイル回線やホームルーターの利用も選択肢にした
チェックをつけながら進めたい方は、チェックリストをこちらからダウンロードしてご使用ください。

