夜だけネットが遅い!原因と解決法をわかりやすく解説
「夜の20時〜23時になるとネットが遅くなる…」そんな経験ありませんか?
動画が止まったり、ゲームがカクついたりするとストレスですよね。
本記事では、夜に速度が低下する原因と、その改善方法をわかりやすく解説します。

「VDSL回線を使っていて夜だけ遅い」という方は、こちらの記事でより詳しく解説しています。

1. 夜だけネットが遅くなるのはなぜ?

1-1. 20時〜23時は回線が混雑するピークタイム

夜の8時から11時は、みんなが家に帰ってきてネットを使う時間です。
動画を見たりゲームをしたりすると、たくさんの人が一斉に同じ道を走るような状態になります。
道路が渋滞するのと同じで、ネットの「道」も混んでしまうのです。
そのため、昼は速いのに夜になると急に遅くなったり、動画が止まったりすることが多くなります。
夜の速度低下は「ネットのラッシュアワー」が原因です。
1-2. 集合住宅特有の「VDSL方式」と速度低下の関係

マンションやアパートでは、建物の入り口までは光回線が来ていても、部屋の中までは昔の電話線でつながっていることがあります。
これを「VDSL方式」といいます。
電話線は光回線より細い道なので、一度にたくさんのデータを通すとすぐに渋滞してしまいます。
特に夜は住人みんながネットを使うため、速度がガクッと落ちやすいのです。
VDSLは「夜に弱い仕組み」だと言えます。
くわしくはこちらの記事をご覧下さい。
建物の中でどこまで光ファイバーが届いているかを図で見ると、速度が落ちる理由がより理解しやすくなります。

1-3. Wi-Fiルーターや機器の影響もある
夜の遅さは、回線のせいだけではないこともあります。家の中にあるWi-Fiルーターやスマホ、パソコンにも原因があるのです。
たとえば、古いルーターを使っていたり、ルーターを部屋の隅や床に置いていたりすると、電波が届きにくくなります。
また、家族みんなのスマホやタブレットが同時につながると、それだけで速度が分け合われて遅くなることもあります。
家の中の機器や置き方を見直すだけでも、夜のネットが少し速くなることがあります。
ルーターの位置を工夫しても届きにくい場合は、外付けアンテナで補強する方法もあります。

2. 実際にどのくらい速度が落ちるのか

2-1. 一般的な利用シーンで必要な速度の目安
ネットの「速さ」は、どんなことに使うかで必要な数字が変わります。数字は「Mbps(メガビーピーエス)」という単位で表します。

- ホームページを見たりSNSをする → 1〜5Mbpsくらい
- YouTubeなどで普通の動画を見る → 5〜10Mbpsくらい
- YouTubeで4Kのきれいな動画を見る → 20Mbps以上
- オンラインゲームを快適にする → 20〜30Mbpsくらい+遅れが少ないこと
- ZoomやTeamsでのビデオ通話 → 3〜5Mbpsくらい

もし夜になって5Mbps以下しか出なくなると、動画は止まりやすくなり、通話やゲームもスムーズにできなくなります。
目安を知っておくと「今の速度で何ができるか」がわかります。
「自分の回線が遅いのか確かめたい」ときは、Speedtestでの測定方法をこちらで解説しています。

2-2. 速度低下時の症状(動画・ゲーム・通話)
夜に速度が落ちると、次のようなわかりやすいトラブルが起きます。
- 動画:再生が止まる、画質がぼやける
- ゲーム:キャラクターがカクカク動く、操作が遅れる
- ビデオ通話:声が途切れる、映像が止まる
こうした症状は「速度が遅い」だけでなく、「回線が安定していない」ことも関係しています。
数字はそこそこ出ていても、混雑していると体感的にとても使いづらくなるのです。
夜の速度低下は「不便さ」としてすぐに感じやすいのが特徴です。
3. 夜の速度低下を改善する基本の方法

3-1. ルーターの設置場所と再起動
Wi-Fiのルーターは、家のどこに置くかで電波の届きやすさが大きく変わります。
床や部屋の隅に置くと、家具や壁にさえぎられてスピードが落ちてしまいます。
家の真ん中や少し高い位置に置くと、家中に電波が広がりやすくなります。
また、ルーターは長時間使い続けると熱を持ち、調子が悪くなることがあります。
そんなときは一度電源を切って再起動するだけで速度が戻ることもあります。
ルーターの電源を抜いて30秒ほど待ち、再度つなぐだけで再起動できます。
設置場所を工夫して、時々リフレッシュさせるのが効果的です。
古いルーターを使っている方は、Wi-Fi6対応ルーターの比較記事もチェックしてみてください。

3-2. 有線接続に切り替える
Wi-Fiは便利ですが、どうしても電波の影響を受けて不安定になることがあります。
ゲームやビデオ通話など「安定した速さ」が必要なときは、LANケーブルで直接つなぐと安心です。
パソコンとルーターをLANケーブルで直接つなぐだけでOK。設定は不要です。
有線接続は電波のブレがなく、速度も安定します。見た目は少し不便ですが、オンライン対戦や仕事の会議などではとても頼りになります。
大事な場面ではWi-Fiより有線の方が確実です。
3-3. 回線速度を測定して現状を把握する
まずは「今どれくらいの速さが出ているか」を知ることも大切です。
スマホやパソコンで「スピードテスト」と検索すれば、すぐに速度を測定できます。
「Fast.com」や「Speedtest by Ookla」などの無料サイトを使えば、かんたんに速度を測定できます。
昼と夜で測定してみると、どれくらい差があるのかがはっきりします。
また、有線とWi-Fiの両方を試すと、問題が回線なのか家の中の機器なのかも分かりやすくなります。
数字で把握することで、原因を切り分けて改善のヒントにつながります。
4. 根本的に改善する方法

4-1. プロバイダや回線プランの見直し
ネットの速さは、同じ光回線でも「プロバイダ」によって差が出ます。
プロバイダとは、インターネットに接続するための会社のことです。
夜になると遅いと感じるのは、その会社の設備が混んでいるからかもしれません。
「変えるのが面倒…本当に速くなるの?」と感じる方も多いですが、実際に乗り換えて『夜でも安定した』という声は少なくありません。
最近は「IPv6」という新しい接続方式に対応しているプロバイダも多く、これに変えるだけで夜でも速くなることがあります。
プランが古い場合も見直しのチャンスです。
プロバイダやプランを変えるのは、手軽で効果が出やすい方法です。
回線の乗り換えを検討している方は、工事後に使えるまでの日数と注意点をこちらでまとめています。

4-2. VDSLから光配線方式に切り替える
マンションでよくある「VDSL方式」は、部屋まで電話線を使うため夜に弱い仕組みです。
これを「光配線方式」に変えると、光回線が直接部屋まで届くので速度も安定します。
「工事って大げさでは?」と迷う方もいますが、導入後は『夜のストレスがなくなった』と満足する声もあります。
ただし、この切り替えには建物全体の工事が必要になることがあります。
自分だけの判断ではできないので、管理組合や大家さんに相談する必要があります。
実現できれば、光配線方式が一番安心できる方法です。
「光が引けない」「賃貸だから工事できない」という方は、工事不要回線の選び方を参考にどうぞ。

4-3. 工事不要のホームルーターやモバイルWi-Fiを利用
もし工事が難しい場合は、ホームルーターやモバイルWi-Fiを使う方法もあります。
ホームルーターはコンセントに差すだけで使え、モバイルWi-Fiは持ち運びもできます。
最近は5G対応のものも多く、速度も十分です。
夜の混雑がひどいときだけサブ回線として使うのも良い方法です。
光回線より安定度は落ちますが、「工事がいらない」「すぐに使える」というメリットがあります。
工事できない人にはサブ回線を持つのが現実的な解決策です。
5. それでも遅い場合の工夫

5-1. 混雑しにくい時間帯を狙って使う
どうしても夜の時間帯が遅いなら、使う時間を少し工夫するだけで快適になります。
たとえば、大きなアプリのダウンロードや動画の保存は深夜や早朝にやっておくと混雑を避けられます。
「家族全員が同じ時間に動画を見て一気に遅くなった…」そんな経験はありませんか?視聴や利用のタイミングをずらすだけでも、体感速度はグッと変わります。
夜しか使えない場合でも、家族みんなが同時に動画を見たりゲームをするのを避けると、スピードが少し改善することがあります。
「使う時間をずらす」だけでも意外と効果があります。
5-2. データの自動更新やバックアップを夜間に避ける
スマホやパソコンは、気づかないうちに夜にデータを送ったり受け取ったりしています。
OSのアップデートやクラウドへのバックアップなどです。
「なぜか夜だけ遅い…」と思っていたら、裏でバックアップが動いていたというケースは珍しくありません。
これらが裏で動いていると、ただでさえ混雑している夜の回線がさらに遅くなってしまいます。
設定を見直して、昼間や使わない時間に更新やバックアップを行うようにすると改善します。
裏で動く通信を減らすと、夜のネットも快適になります。
在宅勤務や授業で通話が途切れる方は、こちらの記事で具体的な改善策を紹介しています。

6. よくある質問(Q&A)

6-1. プロバイダの乗り換えで本当に速くなる?
はい、速くなる可能性はあります。
プロバイダごとに使っている設備や混雑の度合いが違うので、夜だけ遅い場合は別のプロバイダに変えると改善することがあります。
特に「IPv6(アイピーブイシックス)」という新しい方式に対応しているかどうかがポイントです。
乗り換えは比較的かんたんで効果も出やすい方法です。
6-2. マンション共用回線では改善できない?
マンションでは建物全体で1本の回線を使っていることが多いので、個人の工夫だけでは限界があります。
特に「VDSL方式」の場合は、部屋までの電話線がボトルネックになってしまいます。
「自分だけ頑張っても意味がないのでは…」と感じる方も少なくありません。その通りで、共用回線の問題は建物全体での対応が必要です。
根本的に直すには「光配線方式」に切り替える必要がありますが、これは管理組合や大家さんに相談しなければできません。
共用回線は自分だけでは限界があるので、建物全体での改善が必要です。
6-3. ホームルーターやモバイルWi-Fiは速度制限がある?
はい、あります。プランによっては「3日で〇GBまで」などの制限があり、使いすぎると一時的に速度が落ちます。
契約前に条件を確認しておくことが大切です。
サブ回線として使う場合は「制限あり前提」で利用すると安心です。
6-4. マンションで改善できないときはどうすればいい?
共用回線が遅い場合、管理組合や大家さんに相談するのが基本ですが、いきなり相談するのはハードルが高いと感じる方もいます。
まずは同じ建物に住んでいる人に「夜遅くないですか?」と聞いてみると、同じ悩みを共有でき、改善に向けて動きやすくなります。
個人での限界を感じたら「建物全体の問題」として相談するのが現実的です。
まとめ:夜のネット速度低下は原因を知れば改善できる

まず押さえておきたいこと
- 夜20〜23時は「回線のラッシュアワー」で混雑する
- VDSL方式や古いルーターなど、環境によって遅さが増す
- 改善は「できることから試す → 根本対策 → 工夫」の順で取り組む
夜の20時〜23時にネットが遅くなるのは、多くの人が同じ時間に動画やゲームを楽しむため、回線が混雑するからです。
特にマンションなどでよく使われる「VDSL方式」では電話線がボトルネックになり、速度低下が目立ちます。
また、古いWi-Fiルーターや接続機器の性能不足も影響します。
改善するには、まずルーターの置き場所を変えたり、有線接続に切り替えたり、速度を測定して現状を把握しましょう。
それでも改善しない場合は、プロバイダの乗り換えや光配線方式への切り替えといった根本的な対策が必要です。
工事が難しいときは、ホームルーターやモバイルWi-Fiをサブ回線として利用するのも有効です。
どうしても改善できない場合でも、動画を昼間にダウンロードしておいたり、自動更新を夜に避けたりといった工夫で快適さを取り戻せます。
夜のネットが遅いのはあなただけの悩みではありません。
同じことで困っている人は多く、改善に成功した人もたくさんいます。
少しずつ対策を重ねることで、必ず今より快適な環境に近づけます。
今日からできる!夜の速度低下対策チェックリスト
記事で紹介した内容を「やった/まだ」で確認できるようにまとめました。
ひとつずつ実行していけば、夜のネット環境は少しずつ快適に近づきます。
- 昼と夜の速度を計測して差を確認した
- ルーターを家の中央・高い位置に設置した
- ルーターを再起動してリフレッシュした
- ゲームや会議は有線LANで接続してみた
- 夜間の自動更新やバックアップをオフにした
- プロバイダのIPv6対応を確認した
- 建物の回線方式(VDSL or 光配線)を確認した
- 管理組合や大家さんに相談した
- ホームルーター/モバイルWi-Fiを検討した
もっと便利に使いたい方へ
チェックリストをPDFにまとめました。
印刷して冷蔵庫に貼ったり、スマホに保存して確認したりできます。
夜のネット速度対策チェックリストをダウンロードする(PDF)

