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【図解】CGNATとは?確認方法と仕組みをわかりやすく解説

【図解】CGNATとは?確認方法と仕組みをわかりやすく解説
tsuda
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ネットが遅い、オンラインゲームが繋がりにくい——そんなトラブルの裏にあるのがCGNATという仕組みです。
この記事では、専門用語をできるだけ使わず、CGNATの確認方法を初心者でもわかる手順で紹介します。
「VDSLが遅い原因」など、通信トラブルを理解するための基礎知識として役立ちます。

この記事でわかること
①CGNATとは何か
②自分の回線がCGNATか確認する方法
③CGNATだった場合の対策

1. 結論:CGNATかどうかを確認すれば、原因が一気に見えてくる

1. 結論:CGNATかどうかを確認すれば、原因が一気に見えてくる

Wi-Fiがつながっているのに、ゲームがうまくできない…。
そんなとき、「どうしてだろう?」と思ったことはありませんか?
じつはその原因のひとつに、CGNAT(シージーエヌエーティー)という“特別な仕組み”が関係していることがあります。

CGNATは、たくさんの人が同じ「道(インターネットの番地)」を使うようにする仕組みです。
ふつうの家なら1人1台のスマホがあるように、インターネットでも1つの家に1つの「住所(グローバルIP)」があるのが普通です。
でもCGNATでは、たくさんの家が1つの住所を共有しているんです。

この“共有”があると、自分だけのルートが使えないので、
「ポートを開けても通信が届かない」「NATタイプが変わらない」といったトラブルが起こりやすくなります。

だからまず最初にやるべきことは、
自分の回線がCGNATなのかどうかを確認すること!
これを調べるだけで、ゲームがつながらない理由や、ポート開放ができない原因がはっきり見えてきます。

NATタイプが変わらない原因をつきとめる第一歩は、「自分の回線がCGNATかどうか」を調べることです。

2. CGNATとは?簡単に仕組みを理解しよう

2. CGNATとは?簡単に仕組みを理解しよう

インターネットの世界には、「IPアドレス」という“住所”があります。
これは、パソコンやスマホ、ゲーム機がネットの中でやり取りするための番号のことです。
でも、世界中の人がインターネットを使うようになって、住所(IPアドレス)が足りなくなってしまったんです。

そこで生まれたのが、CGNAT(キャリアグレードNAT)という仕組みです。
これは、たくさんの人が1つの住所をみんなで分けて使う
ようにする方法です。
たとえるなら、「1つのポストに、何件もの家の手紙をまとめて入れる」ようなものです。

2-1. CGNATの役割と登場した理由

昔は1人1つの住所(グローバルIP)をもらえましたが、今は人数が多すぎて足りません。
CGNATは、インターネット会社が「住所を節約するため」に作ったルールです。
おかげで世界中の人が今もネットを使えますが、そのぶん少し不便なこともあります。

2-2. 通常のNATとの違い

通常のNATでは「家庭内ルーターで1回変換」、CGNATでは「プロバイダ側で2回変換」される仕組みを示した図。家庭内のルーターとプロバイダ装置で通信が二重に変換される様子を比較している。

ふつうの家の中にも「NAT」という仕組みがあります。
それは、ルーターの中で「おうちの中の住所(プライベートIP)」と「外の住所(グローバルIP)」をつなぐ役目です。
一方、CGNATはその“外側”でもう一度NATをする仕組みです。
つまり、あなたのルーターの外にもう1枚“壁”があるイメージです。

この二重の壁(NAT)があると、外からあなたの家に通信が届きにくくなります。
これが「ポート開放できない」「NATタイプがDのまま」などの原因になることがあります。

2-3. 100.64.x.xという特別な住所

もし自分のルーターの設定画面を開いたときに、
「100.64.〇〇.〇〇」から始まる数字があったら、それはCGNATのサインです。
この数字は「共有して使う住所(共有IP)」で、
「自分専用の住所(グローバルIP)」ではないということを表しています。

このあと紹介する確認方法で、自分の回線がCGNATかどうかをチェックできます。

よくある家庭用のアドレスについて

もし「192.168.〜」や「10.〜」から始まる数字だった場合は、
それは自宅ルーターの中だけで使う“家庭用の住所(プライベートIP)”です。
CGNATではなく、家庭内ネットワークの通常動作なので安心してください。

まとめ

CGNATとは「インターネットの住所をみんなで共有する仕組み」。
便利なしくみですが、ポート開放やオンラインゲームでは不便になることもあります。

3. CGNATかどうかの確認方法

3. CGNATかどうかの確認方法

「じゃあ、自分の家の回線がCGNATかどうかって、どうやってわかるの?」
――そう思いますよね。
じつはこれ、特別な道具を使わなくても調べられるんです!
順番に見ていきましょう。

3-1. まずはルーターの「WAN IP」をチェックしよう

ルーターには、ネットにつながるための“外の住所”が書かれています。
その住所のことを「WAN IP(ワン・アイピー)」といいます。

やり方の例:

  1. パソコンやスマホで、ルーターの設定画面を開きます。
  2. 「ステータス」や「インターネット情報」という項目を探します。
  3. そこに書かれている「WAN IPアドレス」をメモします。

この数字は「192.168.〜」や「100.64.〜」などで始まっているかもしれません。
あとで、この数字がポイントになります!


ルーターのIPアドレスがわからない場合

Windowsをお使いの方は、以下の手順で確認できます。

  1. 左下の検索窓に「cmd」と入力
  2. 開いた黒い画面に「ipconfig」と入力
  3. 表示された項目の中から「デフォルト ゲートウェイ」の番号を確認
  4. その番号をブラウザのアドレスバーに入力

下の画像では、「192.168.10.1」がルーターのアドレス例です。

Windowsのコマンドプロンプト画面で「ipconfig」コマンドを実行し、デフォルトゲートウェイの数値(192.168.10.1)を緑の矢印で示した例。ルーター設定画面にアクセスするためのアドレス確認手順を示している。

3-2. 外の世界で見えるIPと比べてみよう

次に、「インターネット上で自分がどんな住所に見えているか」を調べます。
検索サイトで「IP 確認」と入力して、
「あなたのIPアドレスは〇〇です」と出てくるサイトを開きましょう。
(例:whatismyipaddress.com確認くん など)

ここに出てくる数字が、「外の世界で見えている住所」です。


下のように、2つのサイトで表示される IPv4アドレス を見比べましょう。
両方で同じ数字が出れば「自分専用のアドレス(非CGNAT)」、
異なっていれば「共有アドレス(CGNAT)」の可能性があります。

whatismyipaddress.comの画面で「My IP Address is」の下に表示されるIPv4アドレスを示す例。緑の矢印で確認すべき場所を示している。

whatismyipaddress.comの表示例。「IPv4」と書かれた部分が確認ポイントです。


「確認くん」サイトの画面で「あなたのIPアドレス(IPv4)」が示されている部分を緑の矢印で強調した例。比較のために使用するIPv4アドレスの確認位置を示している。

「確認くん」では「あなたのIPアドレス(IPv4)」の行をチェックします。

3-3. 数字がちがっていたら、CGNATの可能性大!

さっきルーターで見た「WAN IP」と、サイトで見た「外の住所」を見比べてください。

  • 両方が同じ数字 → あなたは“自分専用の住所”を使っています。
  • 数字がちがう → ほかの人と“住所を共有している”=CGNATの可能性が高いです。

とくに「100.64.〜」から始まる数字だった場合は、ほぼ間違いなくCGNATです。
これは、インターネット会社がみんなで使うために決めた特別な住所帯だからです。

3-4. スマホやモバイル回線の場合の注意点

スマホやポケットWi-Fiなど、モバイル回線でもCGNATはよく使われています。
この場合は、ほとんどが最初から共有IP方式になっているため、
ポート開放などは基本的にできません。

もしSwitchをモバイル回線でつないでいるなら、
NATタイプが変わらないのはCGNATのせいかもしれません。

まとめ

ルーターの住所(WAN IP)と、外で見える住所を比べて違っていたら、あなたの回線はCGNATの可能性があります。

IPv6回線を使っている場合について

IPv6回線では、もともと機器ごとに複数のアドレスを持つため、
「whatismyipaddress.com」と「確認くん」で表示が異なっても、それは正常な動作です。
IPv6ではCGNATを使う必要がないため、IPv6アドレスの違いだけで判断しなくて大丈夫です。
この章で紹介している確認方法はIPv4通信を前提としたものなので、
CGNATの確認は「数字が4組のIPv4アドレス(例:123.45.67.89)」をもとに行いましょう。

4. CGNATだった場合の影響と制限

4. CGNATだった場合の影響と制限

「自分の回線がCGNATだった!」とわかったら、気になるのは「じゃあ何ができなくなるの?」ということですよね。
CGNATはとても便利な仕組みですが、みんなで住所を共有するため、できなくなることもあります。

4-1. ポート開放ができない理由

ポート開放とは、「外から自分の家に通信を通すためのドアを開けること」です。
でも、CGNATではそのドアを開ける権限をもっているのがインターネット会社(プロバイダ)です。

つまり、自分で「ドアを開けよう」と思っても、実はそのドアの鍵が会社の方にある状態。
だから、ポート開放の設定をしても、うまくいかないのです。

4-2. オンラインゲームで起きるトラブル

SwitchやPS5などのオンラインゲームでは、
「友だちと通信ができない」「マルチプレイができない」などのトラブルが出やすくなります。

これは、ゲームの通信も「ドアを開けてデータを行き来する」仕組みだからです。
CGNATだとそのドアが閉まってしまうので、通信が一方通行になり、エラーや遅延が起きることがあります。

4-3. 自宅サーバーやリモート接続もできなくなる

パソコンを使って「家の中に小さなサーバーを置く」人もいます。
でもCGNATでは、外からそのサーバーへアクセスすることができません。

リモートデスクトップなど「外出先から家のパソコンにつなぐ」機能も、同じ理由で使えなくなる場合があります。

まとめ

CGNATでは、ポート開放やオンライン通信など「外からのアクセス」が制限されるため、ゲームやリモート機能で不便を感じることがあります。

5. CGNATの対策方法

「CGNATが原因でつながらない」とわかったら、次はどうすればいいかが気になりますよね。
実は、いくつかの方法で改善できるチャンスがあります。
ここでは、初心者でもできる対策を順番に紹介します。

CGNATを回避する3つの代表的な方法(固定IPの契約、IPv6(IPoE)接続への切り替え、光回線への変更)を比較した表。仕組みの比喩イメージと、各方法のメリット・注意点をわかりやすく整理している。

5-1. プロバイダに「固定IPオプション」をお願いする

いちばん確実な方法は、自分だけの住所(グローバルIP)をもらうことです。
インターネット会社(プロバイダ)に「固定IPを使いたいです」と伝えると、
あなただけ専用の“住所”を発行してもらえます。

たとえるなら、「みんなで同じポストを使っていたけど、自分専用のポストを置いてもらう」イメージです。
これで、ポート開放やオンライン通信もスムーズにできます。

ただし、この方法は月に数百円〜千円ほどの追加料金がかかることがあります。

5-2. IPv6(IPoE)に切り替える

もうひとつの方法は、「IPv6」という新しい通信の道に変えることです。
IPv4が古い国道なら、IPv6は新しくて広い高速道路みたいなもの。
人が増えても渋滞しにくく、CGNATを使わずに通信できるケースもあります。

プロバイダの設定ページやサポートセンターで
「IPv6(IPoE)接続に対応していますか?」と確認してみましょう。

もし対応していれば、ルーターの設定を少し変えるだけでスピードも安定します。

5-3. ホームルーターやモバイル回線の注意点

ポケットWi-Fiやホームルーターは、
ほとんどの機種で最初からCGNATが使われていると思ってください。

つまり、ポート開放やNATタイプ変更はできません。
この場合は、ゲームやリモート通信ではなく、動画やSNSなど受け取る側中心の使い方がおすすめです。

もしどうしてもゲーム通信を安定させたいなら、
光回線などの固定回線への切り替えを検討してみましょう。


SwitchのNATタイプ改善については、こちらの記事でくわしく説明しています。

あわせて読みたい
初心者でもできる!Switch NATタイプ改善手順
初心者でもできる!Switch NATタイプ改善手順

CGNATが原因でなければ、そちらの方法でタイプB~Aに改善できる可能性があります。


まとめ

CGNATを回避するには、「固定IPを申し込む」「IPv6に切り替える」「光回線に変える」の3つが主な方法です。
状況に合った方法を選べば、通信トラブルを大きく減らせます。

IPv6を使っていても、SwitchではCGNATの影響を受けることがあります。

IPv6回線は基本的にCGNATを必要としない仕組みですが、
Switchなどのゲーム機は通信そのものがIPv4で行われています。
そのため、IPv6対応ルーターを使っていても、内部的にはIPv4を変換する過程でCGNATを経由するケースがあります。

6. まとめ:仕組みを理解すると、改善の道筋が見えてくる

6. まとめ:仕組みを理解すると、改善の道筋が見えてくる
IPv6ならCGNATの心配は基本なし?

IPv6は、世界中の人がそれぞれ自分専用のIPアドレスを持てるよう設計された新しい仕組みです。
このため、IPv6通信ではCGNATのような「共有アドレス変換」は必要ありません。

ただし、現在のSwitchやPS5などの家庭用ゲーム機は、
通信の中身がまだIPv4方式で動いています。
IPv6回線を使っていても、「IPv4をIPv6にのせて送る」仕組み(IPv4 over IPv6)を通る際に、
プロバイダの設備でCGNATが使われることがあります。

つまり、IPv6対応=CGNATの影響ゼロではなく、
“IPv4通信を含む場合は影響が残ることがある”という理解が正確です。

「ポートを開けてもNATタイプが変わらない…」そんなとき、
原因がCGNATだったというケースは少なくありません。
この記事で紹介したCGNATの確認方法を使えば、
あなたの回線が“共有IP”なのか“専用IP”なのかがすぐにわかります。

CGNATの仕組みは少しややこしいですが、
「住所をみんなで共有している」と考えれば理解しやすいです。
そして、固定IPの申し込みやIPv6接続など、できることは意外と多いものです。

まずは、自分の回線の状態を確かめて、
次に何をすればいいかをはっきりさせましょう。
そうすれば、Switchの通信トラブルも解決へ一歩近づきます。

確認手順まとめ(おさらい)

  1. ルーター設定画面を開いて「WAN IP」をメモ
  2. 「whatismyipaddress.com」または「確認くん」で外のIPを確認
  3. 2つの数字を比べる
     - 同じなら → 専用IP(CGNATではない)
     - 違うなら → CGNATの可能性あり
     - 「100.64.〜」なら → ほぼ確実にCGNAT

IPv6の人は、数字が違っても正常なので心配いりません。

まとめ

CGNATを確認して仕組みを理解することで、回線の弱点や改善ポイントが見えてきます。
次は、くわしい改善手順をこちらの記事でチェックしてみましょう。

あわせて読みたい
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また、下記は「IPv6 IPoE」「IPv4 over IPv6」など、聞き慣れない仕組みを
図解でわかりやすくまとめた解説記事です。こちらもチェックしてみてください。

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難しい言葉はなるべく使わず、初心者の方でも理解できるように解説しています。
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