ゲーミングルーターとは?普通のルーターとの違いと必要かどうかをやさしく解説
ゲームしてるときに、
「撃ったのに当たらない…」「急に動きが止まった…」
そんな経験ありませんか?
実はその原因、回線やWi-Fiだけでなく、
家で使っている ルーター が影響していることがあります。
そこで役に立つのが ゲーミングルーター。
ゲームに必要な通信を優先し、カクつきや遅延(ラグ)を抑えてくれる
“ゲームの動きをなめらかにする司令塔” です。
本記事では、はじめての人でもスッと理解できるように、
ゲーミングルーター 仕組み の考え方を小学生レベルの言葉で整理します。
- 普通のルーターと何が違うのか
- 買うとどんな変化が期待できるのか
- どんな人に向いているのか/いらない人は?
これらをわかりやすくまとめていきます。
この記事を読み終えるころには、
「自分にゲーミングルーターが必要かどうか」
がはっきり判断できるようになります。

ゲーミングルーターとは?
かんたんに言うと、
「ゲームの通信をすばやく通してくれる、頭のいいルーター」
です。
普通のルーターは、
スマホの動画、パソコンのダウンロード、ゲームの通信など
すべてを同じように流します。
でもゲーミングルーターは違います。
家のネットの入口
↓ みんなの通信が流れてくる
ゲーミングルーターがゲーム通信を優先!
↓
ゲームがカクつきにくくなる
「ゲームのデータを先に通してあげる」から
反応が遅れにくくなり、撃ち負ける確率が下がります。
普通のルーターとのいちばんの違い
| 普通のルーター | ゲーミングルーター |
|---|---|
| 交通整理が苦手 | ゲームの信号を優先して通せる |
| 家族が動画を見てると重くなる | ラグが出にくい・安定しやすい |
| 同時利用に弱いこともある | 複数台でも処理が落ちづらい |
つまり、
みんながWi-Fiを使っても、ゲームだけは止まりにくくする装置
とイメージすると理解しやすいです。
実は「ゲーミングルーター」という言葉には、メーカー共通の正式な定義がありません。
- QoSが強い
- ゲーム機用の最適化設定がある
- 高性能CPUや多アンテナ
など、特徴の一部を“まとめて”ゲーミングと呼んでいるだけです。
そのため、
「名前だけゲーミング風」 の製品も存在します。
→「何ができるか(機能)」で選ぶことが大切です。
でも万能ではありません
ここが大切です!
✔ ルーターを変えても回線そのものが遅いと改善しない
✔ 有線LANでつないでいる場合は恩恵が少ないことも
✔ ゲーム以外の用途では普通のルーターと差が小さい場面もある
「魔法のアイテム」ではなく
環境が合えば強力に効くアイテム
という考え方が正解です。
1. ゲーミングルーターの基本 — 普通のルーターとの違い
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ゲームが快適かどうかは、
ネットの“流れ方” がスムーズかどうかで決まります。
ゲーミングルーターは、この流れを特に上手く整理し、
ゲームの信号を優先してあげることでラグを減らします。
ここでは、そのしくみを3つに分けて説明します。
1-1 QoS・トラフィック優先制御とは?

まず1つ目のポイントは QoS(Quality of Service) という仕組みです。
かんたんに言うと……
「ゲームの信号を先に通してあげる機能」
家のWi-Fiはこんな状態になることがあります。
スマホ:YouTube見る
パソコン:ファイルをダウンロード
ゲーム機:オンライン対戦中!
→ みんな同時に道を使って大渋滞
普通のルーターは、この通信を同じように流すため、
ゲームの情報が遅れてしまうことがあります。( = ラグの原因)
でもゲーミングルーターは違います。
QoSで優先順位をつける!
【優先!】ゲームの信号
動画やスマホ通信はその次
これにより、
- 敵の動きが遅れて見えない
- 弾が当たる前にやられる
- キャラがカクカクする
こういったストレスが減りやすくなります。
1-2 ハードウェア性能・アンテナ・対応規格の違い
ゲーミングルーターは、中身がパワーアップ しています。
| 普通のルーター | ゲーミングルーター |
|---|---|
| 処理できる量が少ない | 一度に大量の通信を処理できる |
| アンテナ数が少なめ | 多アンテナモデルが多く電波が届きやすい |
| CPUが弱め | 高性能CPUで混雑時でも安定 |
イメージはこうです。
普通のルーター → 小さめの脳みそ
ゲーミングルーター → 大きくて賢い脳みそ
そのため、
- 家族のスマホが多い
- PC / Switch / PS5 / スマホ ぜんぶ同時接続
- 配信とゲームも同時にやりたい
こういう環境でも速度が落ちにくくなります。
つまり、
同時にたくさん通信しても「息切れしにくい」のが
ゲーミングルーターの強みです。
1-3 無線 (Wi-Fi) と有線 (LAN) の挙動の違い

ここもとても重要なポイントです。
ゲーミングルーターの効果は“無線利用で特に出やすい”
なぜかというと
- 有線はもともと安定しやすい
- 無線は電波がぶつかったり混雑しやすい
つまり、ゲーミングルーターは
Wi-Fiの弱点(混雑・電波干渉)を補う力が強いのです。
有線LAN → もともとまっすぐで速い道路
Wi-Fi → 曲がり道ありの道路(渋滞しやすい)
ゲーミングルーターは Wi-Fi道路を広げてスムーズにする
なので、
- 無線でFPS / TPS(Apex, CoD, フォートナイト)を遊ぶ
- 家族が同時にネットを使って重くなる
- 配信+ゲームを両立したい
こんな人に特に向いています。

Wi-Fiは、
- 壁
- 扉
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- 水槽
などに弱く、電波が通りにくくなります。
たとえば、ルーターがリビングの隅に置かれていると、
自室までの距離+壁の数で一気に速度が落ちる ことがあります。
最適な設置例:
- 家の中心付近
- 床ではなく高い位置
- 電子レンジの近くを避ける
→ 設置場所だけで“体感速度が倍になる”ことも珍しくありません。
2. ゲーミングルーターで“できること/期待できること”
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ゲーミングルーターは名前のとおり、
ゲームを快適にするための工夫がつまったルーターです。
ここでは「何が良くなるのか?」を3つの視点で見ていきます。
2-1 遅延(ping / jitter)の改善・安定通信
ゲームで一番大切なのは 反応の速さ。
- 振り向きが一瞬遅れる
- 弾が当たってるのに倒せない
- 敵がワープしたみたいに動く
これらの原因になるのが 遅延(ラグ) です。
ゲーミングルーターは
ゲームの信号を優先して通すしくみ
→ 反応の遅れが出にくくなる!
イメージはこんな感じ:
普通のWi-Fi → 車がいっぱいで渋滞
ゲーミング → パトカーのように先に通す
ラグが少なくなるので、
FPS・格ゲー・TPSなど 一瞬の差が勝敗に影響するゲームで特に有利 になります。
2-2 複数端末・家族での同時利用時の快適性
ゲームが重くなる理由は、ラグだけではありません。
- 家族がYouTubeを見る
- タブレットで学習動画
- ノートPCがアップデートを始める
これらが同時に起きるとWi-Fiの道が混雑します。
しかしゲーミングルーターなら
ゲームを優先 → 他の通信に邪魔されない
結果として、
家族がYouTube でも ゲームは止まらない
パソコン更新 でも ラグが出にくい
スマホ複数台 でも FPSも安定
という形で ゲームだけは落ちにくい 状態を作れます。
2-3 スマホ/PC/ゲーム機など複数デバイスへの適性
ゲーミングルーターは1台でいろいろ接続できます。
- スマホ
- PC
- Switch / PS5 / Xbox
- Fire TV / Apple TV
- 配信用PC
これらを同時につないでも処理落ちしづらい設計です。
特に、
| ゲーム | ◎ 優先信号 |
| 動画視聴 | ○ 安定 |
| 配信 | ○ 途切れにくい |
| スマホSNS | ○ 普通に使える |
という感じで、
「ゲーム重視だけど他の用途もちゃんと使える」バランス型です。
3. ただし「万能ではない」 — 限界と注意点
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ゲーミングルーターは強力なアイテムですが、
どんな環境でも魔法のように速くなるわけではありません。
買ってから後悔しないために、あらかじめ知っておくべき
4つの注意ポイントをまとめます。
3-1 最大速度 vs 実測速度のギャップ
製品の箱に書かれている
最大速度 2402Mbps !!
Wi-Fi6対応!!
こういう数字は 「理論上の最高値」 です。
実際の家では、
- 壁・扉・家具で電波が弱まる
- 他の家のWi-Fiとかぶる
- 使っている回線自体が速くない
こういった理由で、数字どおりの速度が出ないことが多いです。
スペックの数値=ゲーム体験の良さ ではありません。
ここは誤解しやすいので要注意◎
3-2 回線品質/回線種類がボトルネックになりやすい
ルーターがいくら賢くても、
インターネット回線そのものが遅いと改善は限定的です。
例えるなら
回線 → 水道管の太さ
ルーター → 蛇口の性能
蛇口だけ高級でも、管が細いと水はたくさん出ない
つまり、
VDSL(電話線) → 速度が頭打ちする事が多い
マンションの共有回線 → 夜間混雑で遅くなりがち
IPv4のみ契約 → 混雑しやすい
こういった環境ではルーターより回線の改善が先になることもあります。
夜だけ遅い・FPSが不安定になる原因の多くは、
IPv4の混雑 です。
いくらゲーミングルーターでも、
回線がIPv4のままだとラグが出やすい環境は改善しにくい場合があります。
- IPv6(IPoE)対応の回線
- IPv6対応ルーター
この2つがそろってはじめて “混雑に強い” ネット になります。
→ ラグ対策の土台として、IPv6を確認しておくと安心です。
3-3 有線接続時は恩恵が小さいこともある
LANケーブルで直接つなぐ場合はもともと安定しやすいため、
ゲーミングルーターの優先制御(QoS)が効きにくい場面があります。
無線ゲーム → 効果が出やすい
有線ゲーム → 劇的な変化は出にくい
なので、
- Switch / PS5 を有線LANでつなぐ予定
- PCゲームもLAN接続メイン
- Wi-Fiはスマホくらい
こういう場合は 通常ルーターで十分なこともあります。
PCやSwitchを有線で使う場合、
LANアダプタの性能 がボトルネックになることがあります。
特に注意すべきは
- USB2.0のLANアダプタ
- 100Mbpsまでしか対応していないアダプタ
これらは 有線でも遅くなる原因TOP3 に入ります。
1000Mbps(1Gbps)対応のLANアダプタかを必ず確認しましょう。
→ 「有線なのに遅い」という相談の多くは、アダプタが原因です。
3-4 費用対効果を考えるべきケース
ゲーミングルーターは普通のルーターより高い傾向があります。
通常ルーター : 5,000〜12,000円付近
ゲーミングルーター : 15,000〜40,000円以上も
価格差があるため、下記に当てはまる人は慎重に考えると◎
- 1人暮らしで端末は少ない
- FPSなどリアルタイム性の高いゲームをあまりしない
- 配信はしない/同時通信もそこまで多くない
「絶対に必要」なものではなく
環境と遊び方で価値が決まる機器 です。
4. “本当に必要か”は環境次第 — こんな人にゲーミングルーターはおすすめ
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ゲーミングルーターは
「どんな人にも最高の製品」というわけではありません。
価値を最大にできる人は、はっきりタイプが分かれます。
ここでは3つのパターンで整理します。
4-1 無線でオンラインゲームをする人
もっとも効果が出やすいのはこのタイプです。
- Switch / PS5 / PCゲームをWi-Fiで遊ぶ
- FPS / TPS / 格ゲーなど瞬間的な操作が命
- 配信しながらプレイすることもある
理由はシンプル
無線の弱点「電波のぶつかり」「混雑」を逃がせるから
スマホやPCの通信とゲームが同時でも、
ゲームの信号を優先して通すので ラグが出にくいのが強みです。
4-2 家族・ルームシェアなど複数端末が接続される家庭
ゲームは1台でも、家のWi-Fiはこうなります。
- Netflixで映画を見る人がいる
- 子どもがタブレットで学習アプリ
- 家族のスマホがバックアップ中
- 知らない間にPCがアップデート…
これ全部、電波の道を使います。
普通のルーターなら混雑しますが、
ゲーミングルーターなら
ゲーム通信 → 優先
他の通信 → その次
つまり “自分だけラグくならない”環境を作れるのが最大の魅力です。
4-3 スマホ / PC / コンソール 混在のマルチデバイス環境
最近はゲームの遊び方が1つじゃありません。
- スマホ版Apex
- PCでVALORANT
- Switchでスプラ
- PS5でFPS
- 同時にYouTube
こういう家・こういう友達との環境では、
ゲーミングルーターの処理性能の高さが活きます。
同時接続に強い → 速度が落ちづらい
ゲームを優先 → カクつきにくい
1台で複数ゲーム機+スマホ+PC…
これをさばけるのはゲーミングルーターの特権です。
5. どんなスペック/機能をチェックすべきか(選び方の軸)
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ゲーミングルーターを買うとき、
箱やサイトには難しい単語がたくさん並んでいます。
でも実は、全部覚える必要はありません。
この章で紹介するポイントだけ見れば、
「名前や見た目に惑わされず」
失敗しない選び方ができます。
では順番に解説します。
5-1 QoS(優先制御)の設定が簡単かどうか
ゲーミングルーターの強みは ゲームを優先して流せること。
ただし、設定が難しいと活かしきれません。
見るポイントはたった一つ
QoSがワンタッチでONにできるか?
例えるなら、
普通のルーター → 全員平等に入場
QoSあり → 「ゲーム専用ゲート」から先に入れる
スイッチ1つで優先できる製品が最も使いやすいです。
5-2 Wi-Fi規格(Wi-Fi6 / 6E / 7)が対応しているか
規格は「電波の世代」です。
あとで買い替えないためにも、新しいほうが有利です。
| 規格 | ざっくりの違い |
|---|---|
| Wi-Fi5 | 旧型。混雑に弱い |
| Wi-Fi6 | 主流。安定・人数に強い |
| Wi-Fi6E | 新しい帯域で渋滞しにくい |
| Wi-Fi7 | 超高速。今後の本命 |
イメージ
Wi-Fi5 → 2車線道路
Wi-Fi6/6E → 4車線
Wi-Fi7 → 高速道路レベル
「これから買うならWi-Fi6以上」が現実的なベストです。

Wi-Fiは帯域によって特徴が違います。
ゲームをするなら、
基本は「5GHz」が最も安定しやすい です。
| 帯域 | 特徴 |
|---|---|
| 2.4GHz | 遠くに届くけど混雑しやすく遅め |
| 5GHz | 速いけど壁に弱い |
| 6GHz(Wi-Fi6E) | 速い&渋滞が少ない(対応機種のみ) |
SwitchやPS5が遠い部屋なら、
電波の通り道に障害物がないかもチェックしましょう。
→ 帯域の選び方だけで、ラグが大幅に減ることがあります。
5-3 LANポートの速度と数
ゲーム機やPCをLANケーブルでつなぐ場合、
LANポートの速度がボトルネックになることがあります。
| ポート | 目安 |
|---|---|
| 1Gbps | 標準的 |
| 2.5GbE | 上位ゲーマー向け |
| 10GbE | 配信+録画+高速転送もこなす化け物クラス |
有線中心なら 1GbpsでもOK
将来グレードアップ予定なら 2.5GbE以上が安心
「あとで買い替え」にならない選び方がポイントです。
5-4 アンテナ数・ビームフォーミング(電波の届き方)
アンテナが多い=電波が飛ぶ量が増えると思ってOKです。
アンテナ1本 → 水鉄砲
アンテナ4本 → 消防ホース
さらにビームフォーミング対応なら
Wi-Fiが「使ってる機器の場所を狙って飛ぶ」
→ 部屋の角・壁越し・2階でも届きやすくなります
→ Switch/PS5が離れていても安定しやすい
5-5 CPU・メモリ(=処理能力)
ここは言葉が難しいですが、考え方はとても単純です。
CPU → 脳みそ
メモリ → 作業机の広さ
脳が強くて机が広ければ、
- 同時にたくさん処理しても疲れない
- スマホ・PC・ゲーム機を複数つないでも落ちない
- 配信しながらFPSしても安定
ゲーミングルーターが強い理由がここです。
6. まとめ — あなたの環境で「必要か?」を判断しよう
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ゲーミングルーターとは、
ゲーム用の通信を優先してくれる 頭の良いルーター です。
- ラグが減りやすくなる
- 複数接続でもゲームが止まりにくい
- Wi-Fiでも安定しやすい
ただし、回線そのものが遅い場合や
有線で遊ぶ場合は効果が小さくなることもあります。
6-1 最終判断の目安
あなたが次のどれかに当てはまるなら、導入する価値は大いにあります。
| 向いている人 |
|---|
| 無線でFPS/TPS/格ゲーを遊ぶ人 |
| 家族の通信と同時でもラグを出したくない人 |
| Switch / PS5 / PC など複数機器を使う人 |
| YouTubeや配信とゲームを並行して行う人 |
逆に、
| 効果が小さい場合 |
|---|
| 回線自体が遅い(VDSL・IPv4のみなど) |
| 有線LANで遊ぶことが多い |
| 端末が少なく混雑が起きない環境 |
この場合は、まず回線の見直しや有線化が先になることもあります。
6-2 迷ったときの一言アドバイス
Wi-Fiでゲームをしていて、ラグに悩んでいるなら検討する価値は高い。
あなたの家のネット環境にあわせて
「ゲームが止まらない未来」を選んでください。

