VDSLの仕組みを理解する前に知っておきたい!モデムとルーターの違いを図解で解説

VDSLの仕組みを理解する前に知っておきたい!モデムとルーターの違いを図解で解説
tsuda
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「モデム」と「ルーター」、どちらも聞いたことはあるけれど、どう違うのか説明できない──。
そんな方のために、この記事では通信の仕組みを図解でやさしく解説します。
VDSLなどの回線を使っている方にとっても、この違いを理解することが安定した通信環境づくりの第一歩です。

1. モデムとルーターは役割がまったく違う機器

モデムとルーターの違いを図解。外の世界から信号を受け取るモデムが「翻訳」、ルーターが「配達」としてデータを分ける流れを示したイラスト。

おうちでスマホやパソコンを使うとき、「Wi-Fiルーター」って言葉をよく聞きますよね。
でも、実はルーターだけではインターネットにはつながりません。
家の外からやってくる“インターネットの信号”を、私たちが使える形に変えるのが「モデム」の仕事です。
その信号を家の中でスマホやパソコンに分けて届けてくれるのが「ルーター」です。

たとえるなら、モデムは“外の水道管から水を引きこむところ”、ルーターは“家の中に水を流す蛇口”。
どちらか一方がないと、水(=インターネット)をうまく使うことができません。
だから、モデムとルーターはいつも“ペア”で動いているんです。

モデムは「外からの信号を変換」、ルーターは「家の中に信号を分ける」機械です。
この2つの役割を知っておくだけで、ネットが遅いときに「どこを見直せばいいか」がわかるようになります。

2. モデムは“回線を変換”、ルーターは“信号を分配”する

インターネットの信号は、もともと“人間の言葉”ではなく、“機械の言葉”でできています。
家に入ってくるときは、この信号が「光」や「電気の波」のような形をしているんです。
そのままだとスマホやパソコンには通じないので、
まずモデムが「機械の言葉」を「パソコンがわかる言葉」に変えてくれます。

そして、その信号をルーターが受け取って、家の中のスマホ・タブレット・ゲーム機に分けてくれる仕組みです。
つまりモデムは“翻訳者”、ルーターは“配達員”
モデムが変換しないと会話が始まらず、ルーターがいないと届け先が決まりません。

もしネットが遅いときは、「翻訳(モデム)で止まっているのか」「配達(ルーター)で混んでいるのか」を考えると、原因が見えてきます。

モデムは「信号を変える」、ルーターは「信号を分ける」。
この2つが協力して、私たちのスマホやパソコンにインターネットを届けています。

3. モデムとは?家庭のネット回線の入口

家の外からは、インターネットの信号が電柱などを通ってやってきます。
でも、そのままではスマホやパソコンでは使えません。
この信号を「人間が使える形(デジタル信号)」に変えるのが、モデムの役割です。
いわば、モデムは“家の中へインターネットを通す入口” なんです。

たとえるなら、外の世界から届いた“外国語の手紙”を、日本語に訳してくれる「通訳さん」。
モデムがいないと、スマホもパソコンもその信号を読むことができません。

3-1:回線終端装置(ONU/VDSLモデム)の役割と仕組み

「回線終端装置(ONU)」と「VDSLモデム」は、どちらも“信号を変換する機械”です。
でも、使われる回線の種類によって形が違います。

  • 光回線の場合:光の信号を電気信号に変えるのが「ONU(光モデム)」
  • VDSL方式の場合:電話線の信号をデジタル信号に変えるのが「VDSLモデム」

どちらも「外の世界」と「家の中」をつなぐ“翻訳係”として働いています。
この機械がうまく動いていないと、どんなにルーターが立派でもネットは止まってしまいます。

モデム(ONU)は、光や電気の信号をデジタルに変える“翻訳機”です。
家のネットがつながらないときは、まずこの装置がちゃんと動いているかを確認しましょう。

補足:ONU(光モデム)とは?

光回線では「ONU(Optical Network Unit)」がモデムの代わりをします。
役割は同じで、光の信号を電気信号に変える“光専用のモデム”です。
Wi-Fiルーターとケーブルでつなぐ点は、VDSLモデムと共通です。

3-2:光回線・VDSL・ケーブル回線で使われるモデムの違い

光回線・VDSL・CATVで使われるモデムの違いを比較した図。光ファイバーはONU、VDSLはVDSLモデム、CATVはCATVモデムを使う流れを示している。

モデムといっても、実は回線の種類によって役割が少しずつ違います。
どのタイプを使っているかで、家の中のつなぎ方も変わるんです。

回線の種類モデムの名前信号の形特徴
光回線ONU光の信号高速で安定。VDSLより速い
VDSL方式VDSLモデム電気信号マンションなどで多い方式
ケーブルテレビ回線CATVモデム電波信号TV回線と共用。地域による差あり

どのモデムも、「家の外から来た信号を変換して、ルーターに渡す」という基本の役割は同じです。
ただし、VDSLなどは途中で速度が落ちることもあるため、「どんなモデムを使っているか」を知っておくと、トラブル解決のヒントになります。

モデムには種類がありますが、どれも“信号を変える”という仕事は共通です。
自分の家がどのタイプなのかを知っておくと、ネットが遅いときの原因を見つけやすくなります。

まとめ

モデムは、家のネットの“入口”を守るとても大切な機械です。
ONUでもVDSLモデムでも、どちらも「信号を変えて中に通す」という役割は同じ。
そして、このモデムの先でルーターが“家の中に信号を配る”仕事をしています。


次の章では、そのルーターの仕組みについてくわしく見ていきましょう。

4. ルーターとは?家庭内でWi-Fiを配る司令塔

モデムが「外の世界とつなぐ翻訳機」だとしたら、
ルーターは「家の中でその信号を分けて配る司令塔」です。
モデムから届いたデータを、スマホ・パソコン・ゲーム機など、
それぞれの機器に正しく届けてくれる、とても働き者の機械なんです。

たとえるなら、モデムが“荷物を受け取る人”、ルーターは“配達センター”。
荷物(データ)を家じゅうに間違えず届けるのがルーターの役目です。

4-1:有線ルーターと無線ルーターの違い

ルーターには、大きく分けて2つのタイプがあります。
1つは、ケーブルを使って通信する有線ルーター
もう1つは、ケーブルを使わず電波で通信する無線ルーター(Wi-Fiルーター)です。

  • 有線ルーターは、ケーブルでつなぐため速くて安定しています。
  • 無線ルーターは、家の中を電波でつなぐので便利ですが、壁や家具で電波が弱くなることもあります。

Wi-Fiルーターは今では当たり前の存在ですが、
「ケーブルを使うか」「電波を使うか」で、つながり方が違うことを知っておくと、
トラブルのときに原因を見つけやすくなります。

ルーターには「ケーブル型」と「Wi-Fi型」があり、どちらもデータを配る司令塔です。
使う場所や目的によって、どちらを使うかを選ぶことが大切です。

4-2:ルーターの中ではどんなことが起きているの?

ルーターの中では、たくさんの「データの仕分け」が行われています。
たとえば、スマホが「YouTubeを見たい!」と言ったら、
ルーターはそのデータを外に送り出し、ちゃんとYouTubeのサーバーから動画を受け取って、
今度はスマホだけに戻してあげます。

このとき、ルーターは「IPアドレス」という“住所”を使って、
どの機械にデータを届けるかを判断しています。
同じ家の中で何台ものスマホやタブレットが同時に使えるのは、
このルーターがそれぞれの機器に正しく信号を配っているおかげなんです。

ルーターの中ではこんなことも!

ルーターは「DHCP」という仕組みで、スマホやパソコンに自動でIPアドレス(通信の住所)を割り当てています
だから、家の中で何台つないでも混乱しないんです。

ルーターは、データを送ったり戻したりする“交通整理役”。
家の中でWi-Fiが安定して使えるのは、この仕組みがあるからです。


家の俯瞰図でWi-Fiルーターの設置場所を比較。電子レンジの横などは電波が弱く(×)、部屋の中央・高い位置では電波が広がりやすい(○)ことを示す図。
ルーターを置く場所で電波は変わる!

ルーターは部屋のすみに置くより、家の中央や高めの位置に置くと電波が広がりやすくなります。
家電(電子レンジなど)の近くを避けるだけでも、通信が安定することがあります。

まとめ

ルーターは、家の中のネットワークを管理する司令塔です。
モデムから届いた信号を受け取り、それぞれの機器に正しく分配します。
もしWi-Fiが不安定なときは、このルーターの設定や位置を見直すと改善することがあります。


次の章では、実際に「モデム→ルーター→スマホ」がどんな流れでつながっているのかを、
図解でわかりやすく見ていきましょう!

5. 図解で理解!モデム→ルーター→スマホがつながる流れ

家の中でインターネットが使えるのは、信号が「外 → モデム → ルーター → スマホ」の順に届いているからです。
それぞれの機械がバトンを渡すように、通信をつなげています。
この流れをイメージできると、どこでトラブルが起きているのかが見つけやすくなります。

5-1:外からの信号をモデムがキャッチ!

まず、インターネットの信号は家の外からやってきます。
光ファイバーや電話線を通って届くこの信号を、最初に受け取るのがモデムです。
モデムは、外の世界の「光」や「電気の波」を、家の中で使えるデジタル信号に変換します。

まるで、外国語の手紙を日本語に訳してくれる翻訳者のような役割です。
モデムがないと、家の中のどんな機械もインターネットを理解できません。

5-2:モデムからルーターへ、信号のバトンリレー

次に、モデムが翻訳したデジタル信号をルーターに渡します。
ルーターはその信号をもとに、家の中のスマホやパソコンにデータを配ります。
ルーターには、ケーブルを挿す「有線」と、電波で飛ばす「無線(Wi-Fi)」の2つの方法があります。

Wi-Fiルーターは、まるで“電波の郵便局”。
どのスマホにどのデータを届けるかを仕分けて、家中に正確に配信しています。

5-3:ルーターからスマホへ、データが届く!

ルーターが配った電波は、スマホやパソコンがキャッチします。
そして、YouTubeの動画やメール、ゲームのデータが画面に表示されるのです。
つまり、スマホがネットにつながるまでには3つのステップがあります。

1️⃣ 外から来た信号をモデムが受け取る
2️⃣ ルーターがその信号を配る
3️⃣ スマホなどの機器が受け取る

どれか1つでもうまく動かないと、ネットがつながらなくなります。

たとえで理解:「水道」に置きかえてみよう!

インターネットの流れを水道でたとえると、こうなります。

  • モデム → 外の水道管から水を家に引きこむところ
  • ルーター → 家の中で水を分けて流す蛇口
  • スマホやPC → 水を使う場所(キッチンやお風呂)

どこかが詰まったり止まったりすると、水が出なくなるのと同じ。
インターネットも、モデム・ルーター・スマホのどこかで問題が起きると通信が止まります。

モデムが“外から信号を取り入れ”、ルーターが“家の中に配る”。
そしてスマホやパソコンがその信号を受け取る――この流れで私たちはネットを使っています。
この順番を理解しておくと、通信トラブルのときに「どこを確認すればいいか」がすぐにわかります。

6. よくある勘違い!モデムとルーター一体型の注意点

最近では、「モデムとルーターが1つになった機械」も増えています。
これは「一体型ルーター」「ホームゲートウェイ」と呼ばれるものです。
見た目はすっきりしていて便利ですが、“中で2つの働きをしている” という点を理解しておくことが大切です。

6-1:モデムとルーターが1つの箱に入っているだけ

一体型ルーターは、モデムとルーターが合体した“ハイブリッド機械”です。
外の回線から信号を受け取って変換(モデムの仕事)し、
同じ機械の中でその信号を家の中に配る(ルーターの仕事)までを1台でこなします。

つまり、1つの箱の中に2人の仕事人が住んでいるイメージです。
場所を取らないので設置はラクですが、モデムとルーターの違いを知らないと、
どこでトラブルが起きているのかがわかりにくくなります。

一体型ルーターは、モデムとルーターの両方の役割を1台でこなす便利な機械。
でも、仕組みを知らないと「設定がうまくいかない」と感じることもあります。

6-2:二重ルーターに注意!

一体型ルーターの正しい接続と誤った接続(二重ルーター)を比較した図。正しい接続は「外→モデム一体型→スマホ」、誤った接続は「外→モデム一体型→ルーター→スマホ」と示している。

一体型ルーターを使っているのに、さらに自分でWi-Fiルーターをつなぐと、
「ルーターが2つある状態」になってしまうことがあります。
これを“二重ルーター”と呼びます。

二重ルーターになると、データの通り道が2回仕分けされるため、
通信がうまく届かなくなったり、オンラインゲームで遅延が起きたりします。
まるで“荷物を2つの倉庫でチェックする”ようなもので、時間がかかってしまうのです。

二重ルーターを防ぐには、

  • 自分で買ったルーターをブリッジモード(ルータ機能OFF)にする
  • もしくは、一体型のルーター機能をOFFにする

のどちらかを選びましょう。

一体型ルーターを使うときは、ルーター機能が重ならないように注意!
設定を間違えると、Wi-Fiが遅くなる原因になることがあります。

まとめ

一体型ルーターは便利だけれど、「2つの機能が1つに入っている」ことを理解するのがポイントです。
仕組みを知っておけば、ネットが遅いときに「どこを見直せばいいか」がわかるようになります。


次の章では、ここまでの内容をふりかえりながら、
「モデムとルーターの違いを理解すると、VDSL回線の仕組みがよりスッキリわかる」ことをまとめていきましょう。

7. まとめ 〜モデムとルーターの違いを知ると、ネットの仕組みが見えてくる〜

ここまで、モデムとルーターの違いを見てきました。
モデムは「外から来た信号を変える機械」、ルーターは「家の中に信号を分ける機械」。
どちらも力を合わせて、私たちのスマホやパソコンをインターネットにつないでいます。

もし「Wi-Fiが遅い」「ネットがつながらない」と感じたときは、
この2つのどちらかで問題が起きていないかを考えてみてください。
モデムが信号を受け取れていないのか、ルーターが分配できていないのか――
仕組みを知っていれば、原因を見つけるのもずっと簡単になります。


たとえば、VDSL方式のマンション回線では、
モデムが電話線の信号を変換し、ルーターが部屋の中にWi-Fiを飛ばしています。
どちらかが古い、もしくは設定が合っていないだけで速度が遅くなることもあります。
そんなときに役立つのが、こちらの記事。

詳しくは『VDSLが遅い原因は3つ!今すぐ試す改善策』もご覧ください。

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VDSLが遅い原因は3つ!今すぐ試す改善策
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理解のポイントをまとめると:

  • モデム=信号を変換する“通訳”
  • ルーター=信号を配る“司令塔”
  • 一体型=2人の仕事人が1つの箱に入った便利屋さん

この違いを知っておくだけで、家のネット環境を見直すときに迷わなくなります。


モデムとルーターの違いを理解すると、ネットの流れが「見える化」できます。
次はVDSLの仕組みをチェックして、自宅の通信をもっと快適にしていきましょう!

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